役場職員として地域に関わる
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ご近所とのふれあい
「人とふれあうことが大好きな私には天職ですね。」
と、爽やかな笑顔で語ってくれたのは、京都府南部の山間部に位置する笠置町で集落支援員として働く西舘万理さん。夫の毅さんと愛犬のシンバ君とともに、千葉県君津市から移住して来ました。
「私の両親が高齢になってきたこともあり、実家がある大阪の近郊に移住を考えたのがきっかけです。」
実家まで車で一時間程度の距離であったこと以外にも、この町を選んだ理由があったと、万理さんは続けます。
「予算の都合もありましたが、ご近所付き合いがあるということが大きかったですね。その町の住み方を教えてくれるのは、その町に住む人しかいません。移住者である私たちには、それが必要でした。それに、住むことを考えていた家に、愛犬のシンバがのびのびと遊べる広い庭があったのも決め手になりました。」
最初に家を見に来た時、近所のおじいさんが気さくに声を掛けてくれたことをよく覚えているという万理さん。その後も、そのおじいさんとの交流は続き、畑で植える野菜の時期など、色々なことを教えてもらっているそうです。
「ご近所の人に見守られている安心感や、いざという時に助けてもらえる心強さは、本当にありがたいです。ご近所付き合いを煩わしいと思うのはもったいないですよ。それに、私たち夫婦にまだ子どもはいませんが、すぐ近くに山や川などの自然があったり、車の交通量が少なかったりと、将来、子どもも安心して育てられます。」
と、万理さんはこの町の環境の良さに太鼓判を押します。
地域の大先輩から教えてもらう日々
万理さんの仕事である「集落支援員」とは、人口減少や高齢化が深刻な集落の目配り役として地域を巡回し、各世帯の状況把握や共同作業の手伝い、困りごとの支援などを行うために創設された国の制度です。
「この仕事を通じて、地域の高齢者の人のお話を聞き、その内容をもとに各種団体と連携を図って支援したり、才能を持つ人にはより輝ける場所や機会をご紹介したりしています。地域の人のお話を伺いながら、課題を解決していく仕事なのですが、むしろ人生の大先輩方から色んなことを学ばせてもらっていますよ。」
また、他にも「いどばた市」という古物市を企画し、家庭にある不用品を集めて販売するイベントを開催しているそうです。持ち前の行動力と明るさを活かしながら、地域のパイプ役として忙しい日々を送っています。
そんな万理さんに、移住を考えている方へのアドバイスを求めると、とても素敵な笑顔でこのように話してくれました。
「地域への移住には覚悟と努力が必要です。自分をオープンにして他者を受け入れ、自分から積極的に地域と関わっていくことが大切。最初は大変かもしれないけれど、その分得られる物も大きいと思います。私は本当にこの場所に移ってきて良かった。胸を張りながら、そう言えますね。」
地域に深く関わる勤め人として
自然が好き。週末は必ず自然と触れあって、広い空を見て、海を見て、山を見て、四季折々の花を愛でる。土を踏みしめて歩いていると、自然に深く呼吸をしていて、生き返ったような気分に。毎日、ここで暮らせたら、どんなにいいだろう。そんなことを思ったりするものの、仕事も生活場所も完全に田舎にシフトするのは不安。そういった声もたくさんお聞きします。
そんなとき、地域で求められている仕事に就き、企業に勤めることも良いのではないでしょうか。その上で、地域と関わる暮らしを実践されている方が京都にはたくさんいらっしゃいます。たとえば、ガイドの仕事をしているのなら、その地域の魅力をたくさんの人たちに伝える仕事をすることで、情報を多く得ることや、土地の人脈を広げることもできて、一石二鳥。好きな場所に足を運び、その土地をもっと掘り下げたいという欲求が仕事につながることもあります。
誰も知らなかった、とっておきの風景や地域の人の魅力を外や中に向かって発信する。そんな仕事によって、地域のなかでも同じ様に発信したいという気持ちをもつ仲間をたくさん増やせるかもしれません。