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移住者の声

“叶えたい生き方を求めて、家族と共に京都の海へ”漁業で実現した理想のくらし。

改發 匡恒さん(宮津市)

今回は、大阪府から京都府北部の宮津市に移住し、さまざまな漁業で生計を立てている改發さんにお話を伺いました。
移住前は、大阪府でサラリーマンとして働いていた改發さん。組織に縛られず自由な生き方を実現したいとの思いから、転職と家族での移住を決意しました。
京都府へ移住して約10年。今では理想的な暮らしを手に入れた改發さんに、移住を決意した当時の状況やこれまでの軌跡について教えていただきます。
漁業や移住に関心のある方は、ぜひ読んでみてください。

目次
プロフィール
自由な生き方を求め転職・移住を決意
実践的な漁業研修の場「海の民学舎」
漁業で実現した理想のくらし

改發 匡恒(かいはつ まさつね)さん
大阪府出身。移住前は民間企業で設計関係などの業務に携わる。宮津市への移住後は、京都府漁業者育成校「海の民学舎」にて研修後、個人漁業者として独立。現在は漁業のみで生計を立てている。

自由な生き方を求め転職・移住を決意


日本三景「天橋立」を有する宮津市に家族で移住

――まずは、転職や漁業をしようと思ったきっかけを教えてください。

改發さん:サラリーマン時代は、比較的大きな会社に勤めていました。役職が上がるにつれて、組織に縛られる働き方に疑問を持ち、個人で自由に働きたいと思うようになりました。幼いころに漁業をやってみたいと思っていたこともあり、個人で取り組める漁業に興味を持ちました。

――その中で、どうして京都を選ばれたのですか?

改發さん:漁業を始めるにあたり情報収集を進めましたが、個人漁業者になるための支援制度が整っている地域はなかなかありませんでした。そんな中、漁業就業フェアで「京都府漁業者育成校 海の民学舎(うみのたみがくしゃ)」の存在を知ったことが、京都への移住と漁業就業を決意するきっかけとなりました。
当時は、開校前で第1期生を募集している段階でしたが、相談する中で、個人漁業者としての基礎知識や就業支援などの制度的なサポートがあることがわかり、思い切って入舎を決めました。

――ご家族はその時どのような反応でしたか?

改發さん:妻も同じ会社に勤めていたので、これまでの仕事や考え方については理解してくれており、自分の決断に賛成してくれました

実践的な漁業研修の場「海の民学舎」


個人漁業者から指導を受ける学舎生時代(一番右の学舎生が改發さん)

――「海の民学舎」ではどのような研修を受けられましたか?

改發さん:海の民学舎では、2年間の研修を受けました。1年目は座学や実習を通じて漁業に関する幅広い知識を学び、2年目はより実践的な研修として、個人漁業者の師匠のもとで実際に漁に出て、漁業の基礎を身につけました。

――卒舎後はどのように行動されましたか?

改發さん:卒舎後も師匠のもとで研修を続け、4~5月は「刺網漁業」、6~8月は「潜水漁業」、9~翌1月は「小型定置網漁業」や「釣り漁業」、2月は「なまこけた網漁業」など、一年を通して季節ごとのさまざまな漁法を習得しました。漁船や漁具は中古品や譲り受けたものを活用しながら漁法を拡大し、京都府漁業協同組合の組合員資格を取得して、個人漁業者として独立しました。
※なまこけた網漁業:主に鉄枠に漁網を取付け、海底を曳くことでナマコを獲る漁業

――「海の民学舎」に入ってよかったことはありますか?

改發さん:個人漁業をはじめるためのサポート、特に師匠とのつながりをつくってくれたことが一番大きいです。初めての地域で自力で個人漁業をはじめるのは難しいと思いました。

漁業で実現した理想のくらし


今では講師として「海の民学舎」の学舎生を指導(右から二人目が改發さん)

――地域との関わりについて教えてください。

改發さん:現在は、宮津市内に家族と暮らし、子どもは小学校に通学しています。地域行事や消防団に参加するなど地域活動に関わる中で、地域に高齢の方が多いので頼られることも多いです。生活面では車があれば不便は少なく、家族との時間を大切にできる環境が整っています。

――主な1日のスケジュールを教えてください。

改發さん:季節やそのとき行う漁業種類によって変わりますが、例えば、朝4時に起床、5時に出航、2~3時間漁をして8時に出荷、9時に食事、12時まで漁に出たり、準備をしたり、昼食後13時から18時まで漁に出て夕方帰宅、風呂・食事後21時頃就寝。
これは、しっかりと漁に出る日の例ですが、日によって家族との時間を優先したい日は、漁を短時間にしたり休みにするなど、自分の裁量でその日のスケジュールを決めています。これは個人漁業をやっている大きなメリットです。

――現在の仕事内容と今後の目標について教えてください。

改發さん:現在では経営が軌道にのり、補助金も活用しつつ、数年前に漁船を購入しました。漁業を始めたころより知識や経験が蓄積され、潜水技術の向上や漁具の改良などにより、効率的に漁獲できるようになりました。また、自分の裁量で仕事を進められるため、家族との時間も大切にできています。 今後は、サワラなどのブランド化の取組を進め、高品質な漁獲物を安定的に供給していきたいです。今の地域は、季節によってさまざまな漁業ができる環境なので、この場所を選んでよかったと思っています。

――これから京都で漁業を始めたい方に向けて、伝えたいことはありますか?

改發さん:自分としては、個人漁業をやる若い方が増えてほしいと思っています。京都に移住して、自由な働き方と家族との時間を両立できる生活が実現しました。漁業は、壁にぶつかることも多いですが、しっかり考えて工夫し、努力を重ねることで大漁に繋がれば、その楽しさは他の仕事では味わえないものだと思いますので、決してあきらめず挑戦を続けてほしいと思います。

京都の海で「自由な生き方」を実現

「海の民学舎」をもっと知りたい方はこちらをご覧ください
「海の民学舎」HP

(文責:京都府農林水産部経営支援・担い手育成課 野口)

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