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移住者の声

音楽で人を繋ぐのが役割

  ドイツからの移住

京都府の南東、滋賀県、三重県との県境に位置する南山城村。人口約3000人の小さな村に、2010年から暮らし始めたのは、音楽アーティストの里ロビンさん。日本人で写真家の父とイギリス人で画家の母を持ち、生まれはロンドン、高校までは大阪で暮らしていました。その後、ヨーロッパに渡り、ドイツでの音楽活動を経て、南山城村へ移住してきました。

「ドイツで活動していたバンドの解散を機に、両親が持っていた南山城村の山小屋を整えて暮らし始めたんです。」とロビンさんは当時を振り返り話します。

斜面に広がる茶畑を抜けた先に、スタジオを備えた離れをもつ山小屋が現れます。ここを拠点に自身のバンド活動をする他、映画やCMなどの楽曲も制作しているそうです。

「『音楽』を使って人を繋げていくのが、この村での自分の役割だと思っています。地域の祭でライブを企画したり、廃校を舞台に様々なイベントを仲間と一緒に開催したりしています。」

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大阪で育ち、東京やロンドン、ベルリンなど、多くの都市で暮らした経験を持つロビンさん。そんなロビンさんに、この村に惹き付けられる魅力を尋ねてみました。

「ボーダーレスなコミュニティが面白いですね。都会では肩書きや職業などのジャンルで分けられてしまいがちですが、ここでは『南山城村』というくくりだけ。特にイベントをしていると、集まる人は子どもから八十歳のお年寄りまで、もちろん職業も様々。こんなに幅広い人と関われることって、他の都市にはなかったことです。」

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自然からのインスピレーション

ロビンさんは、南山城村で生活し始めてから、都会では自分のペースで暮らすことが難しいと気づいたそうです。

「都会は生きるためにかかるコストが高く、暮らしを維持するのに必死。そのために、嫌な仕事もしなければいけません。ここでは家賃などのコストも低いので、その分、自分のために時間を使うことが出来ます。なんで皆、田舎に住まないの?って思いますね。」

特にアーティストとしての目線で考えた場合、創作にたっぷり時間が割けることや、自然から多くのインスピレーションを得られることも、環境の良さを実感している点としてロビンさんは挙げています。

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一方で、地域に溶け込むまでには、苦労もあったとロビンさんは言います。

「移住者が地域の人たちの信頼を得ることはとても難しいんです。時間はかかりますが、自分という存在をアピールし続けていくことが何より大切で、移住を考えているのなら、それが出来るかを考えなければいけないと思います。」

最後に、移住によって自分らしい生活を実現するためのヒントを尋ねると、「地域の人たちを同じ目線でリスペクトすること。」と、笑顔で答えてくれました。

自然が創造力を刺激

ゆとりがほしい。何かを作るための「空間」というゆとり。「時間」というゆとり。創造力を刺激する何か。芸術に関わる仕事をされている方は、街での暮らしのなかで、そういったことを感じる機会も多いのではないでしょうか。

自然の中で絵を描いたり、写真を撮ったり、工芸品を作ったり、小説を書いたり、創造力を発揮したい。そんな思いにかられて、京都の田舎に移住して来られた方は山側にも、海側にも、川のそばにもいらっしゃいます。街に比べると街灯が少なく、夜になったら真っ暗になり、風の音や、雨の音、動物の鳴き声など、街とはまた違った音に囲まれながらの創作活動は、暮らしに変化をもたらすのかもしれません。風の流れ、草木の匂い、刻々と変わる空、自然の作り出す思いがけない形状や色彩などが創造を生む。

広い工房つきの家を借りても、街よりも安い家賃で暮らせる場合もあります。生活費のためにいくらか働いたとしても、夜や休日にゆっくりと創作活動に打ち込む生活をされている方もいらっしゃいます。できあがった作品はネットを使って、世界中どこにでも発信できる時代。自由で可能性に満ちあふれた新しい創作の世界が、あなたを待っているのかもしれません。

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