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イベントレポート

京都移住のイロハ -移住に向けたファーストステップ-

こんにちは、京都移住コンシェルジュの磯貝です。

本日は、7月3日(金)に開催された「京都移住のイロハ -移住に向けたファーストステップ-」のイベントレポートをご紹介します!≪セミナー概要はこちら

ゲストは、大阪市から京丹後市に移住された井上 健吾さん・絵磨さんご夫妻です。

◆ゲスト紹介:井上 健吾さん・絵磨さん
2017年1月に夫婦で大阪市から京丹後市へ移住。移住前は共にIT企業で激務をこなしながら、「本当に幸せな暮らしは何なのだろう?」と考えていた。移住先を探す中、丹後で楽しそうに働き・暮らす人々に出会い、その生活に惹かれて移住を決意。
健吾さんは有機農業で野菜を生産している梅本農場で研修生としてゼロからオーガニック農業を学び、今ではオーナーの右腕として、先日オープンしたカフェや加工品の開発・販売なども手掛ける。
絵磨さんは、あえて移住前には仕事を決めずに移住し、丹後で地域を深く知ることのできる仕事に取り組んでいたが、2年前からは地元企業の社内SEとして前職のスキルを活かして働いている。

南北に長い京都府には、京都市エリアの他に丹後・中丹・南丹・山城エリアがあり、それぞれに豊かな自然や文化とともに営まれてきた地域ならではの暮らしがあります。

その中でも、京都府北部 丹後エリアの京丹後市へ移住を決められたゲストの井上さんご夫妻。移住の決め手や移住までのステップ、今の暮らしの様子など、詳しくお話を聞いていきましょう!


移住のきっかけは?移住までのステップは?


移住前は大阪でIT企業に勤務し、仕事に追われる余裕のない生活を送っていたという健吾さんと絵磨さん。結婚や将来のことを考えるようになり「自分たちが求めている生活は、今の生活ではない」と、感じ始めていたのだそう。

そんなお二人が、「移住」を考えるようになったきっかけが長野旅行。田舎の空気感を感じ、忘れかけていた田舎独特のゆるさの中に、自分たちの心の落ち着きや心に余裕のある生活があることに気付いたといいます。

旅行の間、同じようなことを感じ、「今の生活を変えたい」という気持ちも一緒だったお二人は、長野旅行後から具体的に移住を考え始めました。

早速、大阪の移住相談窓口(大阪ふるさと暮らし情報センター)に行き、いろいろな移住セミナー・イベント・現地ツアーに積極的に参加していくことに。先輩移住者の方からお話を聞いたり、現地を訪れたりする中で、「移住する!」という気持ちは固まっていったそうです。

ただ、「場所はどこにしよう?」と、決めかねていました。
そんな時、最初に移住相談窓口で対応をした当時の京都移住コンシェルジュが、「京丹後市」を熱く語ってくれたことを思い出し、京丹後市に行ってみることに。
京丹後市の移住相談員小林朝子さんに案内してもらったり、現在、健吾さんが働いている梅本農場で農場体験をさせてもらったり。「遠いところだな」と思っていた京丹後市が、「面白いところだな!」という印象に変わった体験だったそうです。

京丹後市を気に入ったお二人は、その後、京丹後市に月1回のペースで通うようになり、京丹後で開催されるさまざまなイベントに参加して、面白い人と出会い、どんどん友人も増えていきました。そんなつながりの中で、仕事や家も紹介してもらえるように。そうやって、訪れるたびに、移住への不安が1つ1つ取り除かれていったお二人は、最初の移住相談から1年半後には京丹後市へ移住をしていたのだそう。


「人」に魅かれて移住を決め、「人」と創り楽しむ今の暮らし


そんな健吾さんと絵磨さんに「京丹後の魅力」を聞いてみると、「豊かな自然・美味しい食べ物、そして何より『人』!」だと答えてくださいました。

例えば、左上の写真は、地域のみんなでゼロから作り上げたガーデンウェディングの写真。写っている人の半分以上は、移住前から既に知り合いだったそうです。
「京丹後に通う中で『この人たちの輪の中に入りたい』と思える人々と出会い、そして実際に入ってみて『よかった』と思える今。丹後には、本当に人の魅力が詰まっているんです。」と健吾さん。

移住したいと思ったきっかけのもう1つが、左下の写真の「mixひとびとtango(※1)」という10年続いたイベントの存在だったのだそう。
「このイベントのように、丹後では、若い世代・移住者だけで固まってイベントを作るわけではなく、幅広い世代・地元の人・移住者みんなで1つになって作っているものがたくさんあるんです。それがまちの雰囲気につながっていて、移住者に対してもすごくウェルカムな雰囲気につながっています。」と絵磨さん。

(※1 「mixひとびとtango」(通称ミクタン)は、京都府丹後地域で始まった地域体験型の交流イベント)

移住後も、同世代の方から年配の方まで、移住者・地元の方関係なく、人と人とのつながりをとても楽しみながら過ごしていらっしゃる健吾さんと絵磨さん。写真を見ているだけでも、いかにお二人が今の生活を楽しんでいるかが伝わってきますよね。

▲自分たちで作った野菜でみんなにご飯を振る舞ったり、みんなで鍋やBBQ、食事を持ち寄って飲み会など、食を中心にいろいろな話が自由にできる環境をとても楽しんでいるそうです。
▲同世代のUIターン者と開催した「新米を食べる会」(写真左)や、シェアキッチンを借りて趣味のカレー販売(写真右)をしたりと、週末は仕事の延長線上の趣味を楽しまれています。
▲自分たちで育てた大豆での味噌作り(写真左)や、集落の醤油組合で、地域の方たちみんなで大豆や麦から仕込んで、2年間かけて行う醤油作り(写真右)など、「自分たちで食べるものを自分たちで作る」という昔ながらの生活を味わえるのも大きな魅力の1つ。

最後に、お二人から移住したい方へいただいたアドバイスが、「そのまちが好きな人と繋がる」こと!実際に健吾さんと絵磨さんも、それが移住を後押ししてくれ、京丹後市を選ぶきっかけともなり、今の楽しく充実した毎日につながっています。

「最初に大阪の窓口で相談に乗ってくれた京都移住コンシェルジュ(今は京丹後にUターン)や京丹後市移住相談員の小林朝子さん(京丹後へIターン)は、丹後が大好きでそのまちの魅力をすごい熱量で語ってくれる人。そうやって『そのまちが大好きな人』が醸し出すキャラクターや、その人が紹介してくれる人は、自然とそのまちの雰囲気も映し出していることが多いと思います。なので、そういう人とつながって、自分と合うかどうか照らし合わせてみて、『合うな』って、心から思える地域を探すのが、『自分にぴったりの移住先』を見つける1つのポイントだと思います!」とアドバイスしてくださいました。


仕事や家のこと。移住前後の気になるあれこれを質問!


セミナー参加者の方から、井上ご夫妻への質問タイム。移住を考えている方にとって共通する疑問もあると思うので、いくつかご紹介させていただきますね。

Q. 仕事が決まってから移住されたんですか?

健吾さん:ちょうど梅本農場が、独立就農を前提とした研修生を探していて、「今だったらすぐに働ける」と農場オーナーの梅本さんから言ってもらっていました。なので、私は移住前に仕事は決まっていました。
実はもともと農業をやるつもりだったわけではなく、最初は「面白そうだからやってみよう」くらいのとても気軽な気持ちでした。でも、やっていくうちに面白くなってハマっていって、そのうち梅本農場が事業展開して6次産業化(※2)して、今では中心メンバーとして関わっています。
絵磨さん:私は移住したら仕事中心ではなく、生活中心の暮らしにしようと決めていたので、あえて仕事は決めずに移住しました。でも、移住する前から、いろんな方から仕事の紹介はいただいていたので、「仕事がないんじゃないか」という不安はなかったですね。移住して最初の頃は、自分の生活ややりたいことを大切にしつつ、複数の仕事を組み合わせて働いていました。
健吾さん:地域のアクティブな人とどんどんつながっていくと、仕事は結構あるんです。ハローワークだけ見ると、田舎の仕事って少なく見えるけど、人伝いで紹介してもらうと、面白い仕事もいろいろありますよ。

(※2 「6次産業化」とは…第1次産業を担う農業や水産業の従事者が、加工(第2次産業)、流通・販売(第3次産業)まで取り組む経営形態。(1次×2次×3次=6次))

Q. 住みたい地域があるのですが、住む家や土地が見つかりません。。今のお家はどのように見つけられたのですか?

健吾さん:最初の家は、梅本農場の元研修生が住んでたところを紹介してもらいました。今住んでいる家も人からの紹介です。
絵磨さん:「空き家探してます」っていうのは、いろんなところで大きな声で言っていましたね。「情報あったら声かけてください」って。そしたら、「畑を見てくれるんだったらタダで貸すよ」みたいな話もあったり、いろんな紹介がありました。
健吾さん:田舎ではネットよりも口コミの方が信憑性がありますし、地域の方とつながってしまえば、いい情報が回ってくるのも早いです。仕事も家も、地域の方とつながるのが、「いい情報」を得る1番の方法です。

Q. 東京など京都から離れた遠方から移住する際のポイントは?

健吾さん:定期的には通えなくても、まとまって休みが取れた時に、その地域のいろんな人に会って、地域で出会った方とFBやInstagramなどでつながることです。次回現地を訪れる際に頼れることや、気になることを聞けるのももちろんですが、出会った方のSNSを通して「こんなイベントやってるんだ!」とか「こんな日常を過ごしてるんだ」とか、移住後の生活のリアルな部分を垣間見ることができるので、おすすめです。

移住して約3年半になるお二人は、すっかり丹後になじみ、人と人とのつながりをとても楽しみながら、毎日を過ごしていらっしゃいました。
「自分が大切にしたいものに、正直に生きていく」。
移住を通してそんな選択をしたからこそ、今のお二人の素敵な生活につながっているんだろうなと、感じました。

健吾さんと絵磨さんが移住された「丹後」のことをもっと知りたい、という方はこちらもご覧ください!

Organic Cafe てんとうむしばたけ
健吾さんが働いている「ビオ・ラビッツ株式会社」が、今年オープンしたカフェ。「梅本農場」のオーガニック野菜を使った料理やスイーツ、加工品などが楽しめます!
私もカフェでランチをいただきましたが、1つ1つの野菜がびっくりするくらい甘くて、美味しさがギュッと詰まっていて、普段スーパーなどで買う野菜とは、全然味が違いました。野菜を使ったケーキやプリンなどのスイーツもすごくおすすめです。ぜひ一度、食べに行ってみてくださいね!
京都で「オーガニック農業といえば梅本農場」といわれるほど有名な梅本農場さん。「
野菜セットの宅配」もされていますよ。

丹後暮らし探求舎
セミナーの中で何度かお話に出てきた、京丹後市の移住相談員小林朝子さんが勤務されているところ。井上ご夫妻のお話を聞いて、丹後に興味を持った方は、まずは小林朝子さんに相談してみるのがおすすめです!
▶︎2020年7月〜9月にかけて「
空き家改修のHow toを学べるDIYワークショップ」を開催されています!ご興味ある方はぜひ!

(文責:京都移住コンシェルジュ磯貝)

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