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「雪とレモン」、身近な一次産業をめざして

「株式会社 百章」関野 祐さん(宮津市)

今回お話を伺ったのは、一次産業がもっと身近になるように、との思いから、「株式会社 百章」を2021年4月に立ち上げられた関野 祐さん。関野さん達の活動が取り上げられた『若手農家が日本海側でレモン栽培に挑戦中』との新聞記事を読んで以来、気になっていた方にインタビューをお願いできました。「デヴィッド・ボウイやビートルズの、改革者精神に共感するんです」と教えてくれた関野さんから、これから先がどうしても楽しみになってしまうお話を伺えましたのでお読みください。

関野 祐(せきの ゆう)さん
「株式会社 百章」代表取締役。12年前に宮津市へUターン後、保険の営業職を10年間経験。仕事を通じて多くの人に出会う中で、「自分で商売をしたい」との思いが芽生え、祖父や父が行ってきた農業を自身も始める。同じくUターン移住者の仲間と共同で起業し、現在は宮津市でレモンを栽培しながらレモネードを販売。「株式会社 百章」が、農業や新しいことに挑戦したい多くの人がつどえる場になることを目指して活動中。


「雪とレモン」の景色を見てみたい


―― 雪の積もる宮津で、レモンを栽培しようと思われたのはなぜですか?

関野さん:みなさん、まず、意外に思われますよね。レモンの木は氷点下3度を下まわると枯れるとされていて、「宮津では育たない」と助言されたこともあったんですけど、そう言われると試してみたくなる性格で。

僕自身レモンが好きで、生業に繋がるかとかは考えずに、まずはやってみようと思ったんです。レモンってかわいいし、ケーキやお酒など、どんな料理にも合わせられるのでいいなと。15年前から宮津でレモンを趣味で育てている人がいて、その方との出会いもきっかけになりました。自分たちで試行錯誤を重ねながらチャレンジしている今、やりがいを感じています。

大事に育てているレモン。「葉っぱからもいい香りがするんですよ。土づくりにもこだわっていて、農薬や殺虫剤は使いたくないので、天敵となるアゲハチョウの幼虫は手で取っています」

畑は、耕作放棄地を使えることになりました。農業に関心を持つ人を増やしたいとの思いから、レモンの木を植樹する際に参加者を募ったところ、地元の方に加え、大学生や京都市内で働いている方など約25名が参加してくれたんです。レモンの収穫は、早くて1年後の冬にできるかもしれません。雪景色の中に実るレモンを目にした時の喜びって、どんなものになるのか、まだ想像ができませんね。

レモンは実るまでに3年以上かかるため、収穫できるようになるまでの間、ファンをつくる活動としてレモネードを販売中。果実は、栽培手法を教わった香川県の農家さんのものを使わせてもらっている。「レモンをまるごと食べているような飲みごたえのあるものに、と完成させた自信作です」









農業に関わりたい人が集まれる会社に


――「株式会社 百章」ができるまでについて聞かせてください

関野さん:共同で会社を立ち上げた矢野くんとは、彼が宮津へのUターンを検討していた時期に、地元の方からの紹介で会いました。宮津での活動の可能性について、Uターン同士だからこそ感じた意見を2人で出し合ったんです。いつかはレモンを宮津の特産品に、という夢があったし、農業を盛り上げたい、多くの人に関わってもらいたいとの思いから、会社をつくることにしました。

社名をどうしようかとなって、ふたりで深夜に飲みながら、100年経っても色あせない老舗感のある名前がいいな、とアイデアを出して。以前から、百姓という生き方は素晴らしいと思っていて、「ショウ」の字はこれからの物語を綴っていく、という意味を込めて「章」に。一時的な盛り上がりになっていないか、ふた晩寝かせてみても違和感がなかったので、この名前に決めました。矢野くんと会ってから会社設立まで半年でしたね。矢野くんの知人の、坂本さんも宮津へ移住してメンバーに入ってくれました。

法務局へ申請に行った日の記念の1枚。「意気込んで法務局へ向かったのですが、係の方のとてもあっさりとした対応に、拍子抜けしたことを覚えています。帰り道に3人で焼き肉を食べたのもいい思い出です」

現在の社員は、兵庫県から宮津へIターンした小野くんも含めて4名です。坂本さんは結婚して、今は屋久島から広報を担当してくれています。社員以外にも、HPやデザインを担当してくれる人がいたり、書道家さんがロゴを書いてくれたりと、「百章」に関わってくれる人たちがたくさんいます。


仲間と一緒に、可能性を広げていきたい


――どんどん、面白い会社になっていきそうですね

関野さん:これからやりたい事は、関わってくれている生産者の人たちと一緒に、自分たちで作った農産物や宮津の物を外へと発信していく事です。売り先を新たに開拓する事は難しい面もありますけど、これから農業に関わっていく人を増やしていくためにも、宮津の生産者がいきいきと農業ができるようにしたいです。担い手がいないと広大な農地は管理できないし、農地は全ての土台なので、自分たちで手をかけて守っていきたいですね。

喜多駅前には、関野さんの畑も広がる。「ホームから眺める景色が好きなんです。この辺りは昔、参勤交代の通り道で、新しい情報が盛んに入ってくる場所だったそうです。現在も新しいことに寛容な土地で、移住者も多いですよ」

地元に戻って来た時には、学生時代の友達は宮津からいなくなっていましたが、保険の営業職を通じて地域のために活動している多くの人たちと出会え、関心を持ちました。同じ意識を持った仲間を集めたくて、そんな人たちがつどえる場を作りたいと思ってやっています。

目指しているのは、自分たちが面白くて心からやりたい事をやっていった結果、宮津が面白そうだから行ってみよう、関わってみたいって思ってくれる人が増えてくれることです。農業や加工分野に限らず、宮津で新しい事に挑戦したいと思ってくれたらいいですね。「百章」というプラットフォームから、可能性を広げていきたいです。

「株式会社 百章」や、関野さんの活動をもっと知りたい方はこちらをご覧ください
▶︎「株式会社 百章」HPと、FacebookTwitter
▶︎レモネード専門店「まだ、名もなきレモネード」FacebookInstagram
▶︎「京都海レモン」Instagram
▶︎農家民宿「関野亭

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(文責:京都移住コンシェルジュ 山崎)