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移住者の声

職人としてアコースティックギターを製作

自然豊かな土地で製作を

京都府中部にある船井郡京丹波町。肥えた土壌と気候に恵まれた好条件のもとで作られる丹波黒大豆が有名です。西原悠紀さんがこの地を移住先として選んだ背景には、その豊かな自然がありました。

長野県松本市にあるギターメーカーで製作の経験を積んだ西原さんは、独立先として「松本のように自然がある場所でギターを作りたい」と考えました。

「京都市左京区の大原や南山城村など、色々な土地を見てまわりましたが、京丹波町で今住んでいるこの家と出会った時に運命を感じ、即決しました。季節を感じる庭や築100年という趣のある建物。何よりも自然に囲まれており、存分にギター製作に打ち込める環境が魅力でした。実際に住んでみると、隣近所と最低限のお付き合いしかない都市部の暮らしに比べ、町全体が団結している様子が印象的でしたね。」

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町の方たちは親戚のおじさん、おばさんのように優しく接してくれて、とても風通しの良い雰囲気なのだそう。地域では月に一度の集会があるほか、活気のある世代が集まって話飲(わいん)クラブを作ったり、BBQをしたりと年齢差を気遣う必要がないくらい絆が強いそうです。

「僕も妻とともに、ご近所付き合いを積極的にするようになりましたね。一番下が32歳の僕、上は八十代の方までが集まり、バスツアーに行ったこともあります。都市部の暮らしも楽しかったのですが、こちらに来てからは日々、人と人とのつながり、自然の恵みなど、たくさんの魅力に巡り会えています。」

人との繋がりを思い出す

「田舎暮らしは不便だと言う人がいますが、仕事さえ融通が利けばそうは思いません。それ以上にたくさんの魅力があります。」と語る西原さん。今後はギターを製作する傍ら、広大な敷地を使って農業もしたいそうです。田舎ならではの暮らしを楽しむ西原さんに、移住のポイントについて尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「これまでご近所さんとの親交がほとんどなかった僕にとって、ここでの暮らしは新鮮に感じました。本当に、人と人とが手を取り合っている。もし移住を考えているのなら、移住先では先入観を持たずに、ご近所付き合い、助け合いを行うことが大切だと伝えたいですね。するか、しないかでおもしろさは変わってくると思います。もちろん、自分たちだけで一つのサイクルを作ることも良いかもしれませんが、僕たち一家は町のコミュニティにうまくはまったので、毎日を楽しく暮らせています。」

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都市部の暮らしで人々が忘れかけているご近所さんとの交流は、様々な出来事を運んで来てくれます。最初は勇気がいるかもしれませんが、一歩踏み出してみると、田舎ならではの楽しい生活が待っていることでしょう。

自然が創造力を刺激

ゆとりがほしい。何かを作るための「空間」というゆとり。「時間」というゆとり。創造力を刺激する何か。芸術に関わる仕事をされている方は、街での暮らしのなかで、そういったことを感じる機会も多いのではないでしょうか。

自然の中で絵を描いたり、写真を撮ったり、工芸品を作ったり、小説を書いたり、創造力を発揮したい。そんな思いにかられて、京都の田舎に移住して来られた方は山側にも、海側にも、川のそばにもいらっしゃいます。街に比べると街灯が少なく、夜になったら真っ暗になり、風の音や、雨の音、動物の鳴き声など、街とはまた違った音に囲まれながらの創作活動は、暮らしに変化をもたらすのかもしれません。風の流れ、草木の匂い、刻々と変わる空、自然の作り出す思いがけない形状や色彩などが創造を生む。

広い工房つきの家を借りても、街よりも安い家賃で暮らせる場合もあります。生活費のためにいくらか働いたとしても、夜や休日にゆっくりと創作活動に打ち込む生活をされている方もいらっしゃいます。できあがった作品はネットを使って、世界中どこにでも発信できる時代。自由で可能性に満ちあふれた新しい創作の世界が、あなたを待っているのかもしれません。

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