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移住者の声

都市での暮らしを田舎で実践

京北の魅力を広めるため

京都府京都市の最北に位置する右京区京北町。その面積の九割以上を森林が占めており、平安京の遷都以来、京都の住宅や神社仏閣などに木材を供給してきたと言われています。

「古の時代から林業の里として親しまれてきた町です。そのため、自然と町の人との関わりが深く、山を眺めた時には自然の素晴らしさより、人の温かさが脳裏に浮かびます。山に木を植えて、三世代かけて大切に育てて、商業として都を支える。そんな歴史が、町の礎になっているんです。」

そう説明してくれるのは、東京都から京北町へ移住してきた太田みどりさん。現在、同じく都会からの移住者とともに「里山デザイン」を立ち上げ、京北の魅力を広めるための広報活動に奮闘しています。

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「京北地域の暮らしを提案する『KEIHOKU style』という活動に取り組んでいます。京都マルイで展覧会を開催し、京北の写真展示や作家さんの作品販売、また京北の林業を紹介するなどしています。目標は、京北を知った方に実際に足を運んでいただくことです。」

太田さんは、商品の販売やイベントの企画以外にも、地域のレストランや和菓子屋のホームページやカタログを制作したり、海外からの観光客を京北に誘致したりと、様々なプロモーション活動を通じて、京北の魅力を発信しています。

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自分に出来ることを一生懸命に

太田さんが「KEIHOKU style」を始めたのは、京北に移住して来た時に感じた田舎暮らしの葛藤や都市生活とのギャップがきっかけでした。

「京北で暮らす人たちはみんな元気でパワフル。木こりの方は大木を伐採し、お年寄りの女性は朝から夕方まで草引きをしています。都会生まれ都会育ちの私は、スローライフへの憧れもありましたが、体力的にも精神的にも彼らの真似は出来ないと感じたのです。私に何が出来るのだろうか、何をしたらお役に立てるのだろうか。そう考えた時に頭に浮かんだのが、海外の方を誘致する時に翻訳をしたり、地元ショップのホームページを作ったりするなど、都市に住んでいた時に培ったスキルを活かすことでした。」

太田さんは、自分にしか出来ないことが町の活性化に繋がると、これから移住を考えている方にアドバイスします。

「昔から『餅は餅屋』と言われますが、地域に貢献できるものであれば、自分の得意分野を極めるのも一つの道だと思います。それぞれのフィールドでやれることをやっていく。それで良いんじゃないかと思うんです。私自身の話で言うと、今後は大阪、東京などでも『KEIHOKU style』を開催し、少しでも多くの方に、京北について興味を持っていただくことが使命です。」

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生活環境の大きな変化によって、地域に馴染むことに葛藤する方も少なからずいます。移住前の経験を活かすことで、自身の活躍の場を自ら作り出し、地域に馴染んでいく、そんな太田さんの例から学べることは多いのかもしれません。

都会の仕事はどこでも可

都会は便利で、田舎は不便。はたして本当にそうでしょうか?ネット社会になり、どんなに遠くにいても、情報を得ることも離れた人との交流もかんたんにできる。そんななか、仕事は都会との繋がりのなかで今までのスキルを活かして続けつつ、住む場所としては、田舎を選択する方々が増えています。

地域で暮らしながら、ネットを介してビジネスをされている方も、サテライトオフィス、テレワークなどの仕事の方法を実践している方もいます。今やネットで買い物だってできるのですから、ずいぶんと田舎の生活も便利になりました。とはいえ、家に籠もりっきりでは、田舎暮らしの醍醐味を味わえません。その暮らしを楽しむための鉄則は、まずはちゃんと「郷にいれば郷に従え。」を実践することだとおっしゃる方もいます。できるだけその土地のやり方を受け入れていくことが自身のビジネスにも活きてくる、そんな声も聞きます。

でも、すべて受け入れるだけでなく、時には、街で出会った良いところを地域の中で紹介していく。それによって、今までなかった交流が生まれ、その土地に住むことがさらに楽しくなっていく可能性も。自然に囲まれた環境のなかで、都会で培ったものや、魅力を継続するという新しいスタイルが生まれています。

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