南丹市起業里山古民家

海外から移住し、古民家の宿をオープン。写真家夫妻の新たな田舎暮らし

2021.09.13

「カーサ美山」森本 徹さん/ティナ·バゲさん(南丹市)

今回は、スペイン·バルセロナから京都府南丹市·美山町へ移住して、一棟貸しの宿を運営されている森本徹さんとティナ・バゲさんからお話を伺いました。海外からの空き家の探し方や工務店とのやり取りなど、経験者ならではの貴重なお話をお聞きしています。離れた場所からでも移住の準備を着実に進めていく方法や、ご近所の方との関係づくりなど、たくさんのヒントを教えていただきました。

目次
■ プロフィール美山へ移住前はスペインで生活。写真家のお二人の出会いとは。撮影旅行で田舎の魅力を発見。古民家探しを始めるも、難航・・?購入後にリノベーションをスタート。そしていよいよ、日本へ。海外からの移住のポイントや、補助金申請について。念願の田舎暮らしがスタート、工具片手に試行錯誤の日々。ついに、宿をオープン。スタートは順調にいきつつも・・。教えて下さい、ご近所さんとの良好な関係の築き方。そしてこれからのこと。まだまだ面白いことになりそうです!

森本 徹さん
兵庫県出身。大学卒業後にアメリカの大学院でジャーナリズムを学び、写真家として活動をスタート。アメリカの新聞社でカメラマンとなり、西アフリカでの撮影活動を経て、スペインへ移住。

ティナ・バゲさん
スペイン·バルセロナ出身。アメリカで写真を学び、スペインに戻ってから写真家として活動をスタート。雑誌の編集長を経て、夫の徹さんと一緒に日本の風景を納めた写真集をスペインで出版。

2020年1月に南丹市·美山町へ移住、同年6月に1棟貸しの宿「カーサ美山」をオープン。同じ敷地内には、蔵を改修してつくった写真館「美山フォトスタジオ」とギャラリーも併設されている。



美山へ移住前はスペインで生活。写真家のお二人の出会いとは。


――移住に関するお話を伺う前に。お二人とも写真家ですが、写真を始められたきっかけを教えて下さい。

徹さん:僕は、アメリカで写真の勉強をしたんですけど。日本で大学を出た後、アメリカの大学院へジャーナリズムを勉強しに行って。最初は書く方をしたかったんですけど、たまたまフォトジャーナリズムのクラスで写真を撮ったら、みんなに褒められて、僕もその気になって(笑)。それをきっかけに、写真のコースを取って専念して。写真を始めたのはそこからですね。

ティナさん:私は、お父さんがよく家族の写真を撮っていたので、私も子どもの頃からお父さんのカメラで写真を撮っていて。写真に興味を持って、1年間アメリカに行って、住み込みでベビーシッターをしながら写真を勉強しました。フィラデルフィアの美術大学に少し在籍して。その後スペインに戻って、3年間、写真の大学に入って。暗室での仕事が好きだったので、暗室作業を学校で教えながら、フリーでインタビューの写真を撮ったりもしていて。


――お二人はアメリカで出会われたのですね・・!

徹さん:いや、アメリカではなくて。僕はアメリカの大学院を出た後に、NYタイムズにインターンで入って1年間NYで仕事をした後、NYタイムズのフリーカメラマンとしてコートジボワールに住んで、記者と一緒に西アフリカの全土で写真を撮ってたんです。それからスペイン人の友だちがいたので、マドリードに行って。そこで、フォトエスパーニャっていう大きな写真のイベントを、バルセロナでカメラマンをしている友達と、その友達のティナの3人でまわったんです。そこで初めてティナと知り合って。

その後、僕は日本にいったん帰ったんですけど、ティナが日本に遊びに来て、日本で一緒に写真を撮ってまわったりして。お互い行き来している内に、僕がスペインに拠点を移すことに。それが2004年で、2020年1月に日本に戻るまではずっとスペイン。

ティナさん:そうそう、2002年から日本に行き出して、そこで撮った写真はスペインの雑誌社に結構売れて。あの頃、スペインには日本に行きたくても行けない人が多かったので、日本の沖縄や東京、京都とかの写真が人気で。日本の写真を撮る海外の写真家もそんなにいなかったから。カメラ雑誌の編集長もしながら、日本でも撮り続けてて。


撮影旅行で田舎の魅力を発見。古民家探しを始めるも、難航・・?



――なるほど。順調なスペインでの生活だったようですが、なぜ日本への移住を考えられたのですか?

徹さん:2010年に日本の写真集を作りたいって思って、それで1年間日本に滞在して写真を撮ったんです。写真集にしてスペインで出版した後に、日本で撮った写真を展示するギャラリーカフェみたいなのをバルセロナでしようとなって、カフェを始めて。それがいつの間にかレストランになって(笑)。

ティナさん:日本では二人でキャンピングカーに乗って、沖縄から北海道まで撮影の旅をして。その1年で、日本に住んでみたいなって。

徹さん:日本の田舎が気に入ったんで、いつか住めたらな、みたいなことを思いながら。で、その後も撮影で日本に来るたびに、冗談半分で家探しみたいなことをしていて。それがだんだん、本気になってきて。

▲2010年に写真集「JAPAN/日本」を作るため、キャンピングカーで365日間、日本を撮影。©Akashi Photos


――京都の美山を移住先に選ばれたのはなぜ?日本中を旅された時に、特別な何かがあったのでしょうか。

徹さん:それは大してなくて(笑)。美山へも撮影で来たことはあったんですが、僕、地元が兵庫県なので、できれば兵庫県でと思って探していたんですね。でもなかなか条件に合う物件が無くって。

ティナさん:そう、めっちゃ難しかった。

徹さん:ね。僕らは、母屋の一棟貸しのスペースと、離れの僕たちの住居スペースと、蔵のスタジオっていう、この3点セットを探しててね。でもなかなか無くて、母屋が良ければ蔵が、これちょっと、直すのにすごいお金かかるなあって。で、ここはたまたま条件が全部合ってたんです。


――どんな方法で家を探されたのですか?

徹さん:最初は、えーっとね、空き家バンクで探してて。兵庫県や京都府の空き家バンクに登録して、いろんな資料を見て。最初は、空き家バンクの担当者の人と一緒にここへ見に行ったんですよ。

ティナさん:ちょうど日本に来ていたタイミングで、見たいんですけどって言って。その時はこの家の持ち主さんとタイミングが合わなくて、中は見ずに外だけ見て。

徹さん:そうそう、次に日本に帰ってくるタイミングに合わせてここのオーナーさんと約束して、最初に外観を見て3~4ヶ月くらいしてから、中を見せてもらって。

そしたら、いろんな面白い偶然があって、オーナーさんがすごい乗り気になって。オーナーさんの弟さんがずっとここに住んでたんですけど、その人が、僕と同じトオルさんっていうんです。しかも、そのトオルさんの奥さんの旧姓がモリモト。「これはもう森本さんに買ってもらうしかない」って、そこからは話がトントン拍子に進んで。しかも、そのトオルさんの息子さんがついこの間結婚したんですけど、なんと奥さんはスペイン人(笑)。

▲以前のオーナーさんご家族と一緒に、「カーサ美山」にて。動画ブログ「やっぱり美山」より。


――なんだか、運命すら感じますね(笑)。移住先で一棟貸しの宿をしようと思われたのはなぜですか?

ティナさん:一棟貸しの宿はスペインにたくさんあって、20年くらい前からブーム。一棟貸しだと、食事の準備も自分でできるから便利ですね。毎日レストランに行ったら··、


――さすがに、胃もたれしちゃいますもんね(笑)。

ティナさん:そう(笑)。私たちの宿のお客さんは、外国人が多いと思ったので。海外から2週間くらい日本に来たら、1~2日くらいは、トラディショナルな日本らしい家に泊まってみたくなるからね。その点、美山は山の中にあるからいいなと思って。

徹さん:そうそう、スペインにいたら結構、「今度日本に行くんやけど、1日は日本の田舎に行きたいから、どこか紹介して」って言われる。で、東京·京都って絶対に行くじゃないですか。そこからちょっと外れて、田舎に1日行けるところは外国人のお客さんにとってベストやなと。美山なら京都市内からすぐ来れるし、いいなって。


――それで、新築ではなく、古民家の味わいを残してリノベーションをされたのですね。

ティナさん:私は古い建物が大好き。スペインでも一棟貸しといったら、古い家をリノベーションしてる。

徹さん:スペインにも古い家がたくさんあって、築2~300年の家が結構あるんですよ。普通に18世紀とか19世紀とかの建物があって、それをちゃんと直して、住めるようにしてっていうのが結構あって。


購入後にリノベーションをスタート。そしていよいよ、日本へ。



――2019年5月に購入されてからは、スペインでリノベーションの計画を進められたのですか?

徹さん:そう、2人でプランを作って、スペインから工務店の人とやり取りをして。その頃はZoomがなかったから、メールで。見積をもらいながら、何回も何回も。

▲ティナさんによる、手描きのキッチン設計図。重厚感のある大理石のシンクはスペインで購入。


――どうやって日本の工務店を探したのですか?

徹さん:こことは別の家を見に行った時に、空き家バンクの人と一緒に来てはった不動産屋さんから、「知ってる工務店の人がいますよ」って紹介してもらった人に頼みました。

――腕のいい工務店さんでよかったですね。

徹さん:そう、出会った時に、割りといい感じの工務店の人たちやったんで。

ティナさん:うん、いい感じ。材のこととか、古民家のことを全部分かってたから。

徹さん:そう、古民家のことも分かっていたし、あれができる/できないみたいなこともしっかりしてた感じやったんで、大丈夫かなと思って。

ティナさん:日本でリフォームをしたら、全部新しくなる場合もあるから。それは全然好きじゃない、私は。あの人はそういう事も分かってた。

――お二人のセンスをしっかりと理解されたのですね。この家には、こだわりが随所に感じられますね。

徹さん:土間と囲炉裏の間を仕切っていた建具が気に入って、どうしても残して使いたいなって。それで、その建具をお風呂場の引き戸に使って欲しいって工務店の人に言ったら、「お風呂の建具はピチッと閉めるものですよ」って断られて。「工務店として、それは無理です」って。

ティナさん:でも、「こうしてほしい、こうしてほしい」って何回も何回も言ったら、「はいはい、もう、そうしましょう」って(笑)。

徹さん:日本人的にはなかなかね、押せないとこもあるんですけどね(笑)。

ティナさん:建具は全部で4枚あったから、今のがダメになってもあと3枚ある。1年間ずっと大丈夫だったから、全然大丈夫。


――工事がスタートしたのはいつからですか?

徹さん:その年の10月末です。

ティナさん:買ったのは5月だけど、買う前から工務店と話を進めていて。10月から日本に住んで、1週間に1~2回、工事の様子を見に行って。

徹さん:2019年の10月にスペインから日本に引き上げてきて、僕の実家の兵庫に住みながら。道の駅で寝たこともあったね(笑)。

▲「カーサ美山」の改修工事模様。©Akashi Photos


海外からの移住のポイントや、補助金申請について。



――海外からの移住は、大変なのではと想像されます。特に、印象に残っている事は何ですか?

徹さん:モノですね。15~6年住んでたんで、多すぎて。コンテナに積んでほぼほぼ持ってきたんですけど、その手続きが結構ややこしかったね。写真とか、いくら自分の写真やって言っても、芸術作品とみなされてすごいややこしいんですよ。自分の作品でも日本に持ってくるのにお金がかかって。

――えっ、自分の作品でも税金がかかるのですね

徹さん:著作権があるものを、国境を超えて持ち込もうとすると税金がかかるらしい。海外で高級な絵画を買って持ち込むんじゃなくて、自分の作品だとしても。あとは家具とかでも··、

ティナさん:木だったら··、

徹さん:そう、日本にいない虫が海外から入ってこないように、どんな殺虫剤を使っているかとか。だいたい既製品はOKなんですけど。入り口に置いてある本棚は僕たちが作ったので、結構厳しく言われたんですけど何とか持ってこれました。(キッチンに置いてある食器棚を指差しながら)こんなんも、向こうのアンティークショップで買ったものなんで、何の木やって言われても分かんなくて。


――他にも、行政上の手続きで大変だったことはありましたか?

徹さん:他は大したことはなかったと思います。配偶者ビザが下りないと日本へ入れないんで、どういう方法がいいいのかって調べたりはしましたけど。

ティナさん:やる事は多かったけど、問題は特に無かった。


――移住にあたって、支援制度は申請されましたか?

徹さん:しました。古民家を改修する補助金と、起業支援の補助金を。だいぶ助かりました。


念願の田舎暮らしがスタート、工具片手に試行錯誤の日々。



――そして、離れが完成して、2020年1月に美山へお引っ越しを。お宿がオープンする6月までの間、工務店の工事と並行して、お二人もセルフリノベーションをされたのですよね。

▲スペインから運んだタイルを自分たちで貼った時の様子。動画ブログ「やっぱり美山」より。


ティナさん:めっちゃ頑張った(笑)。

徹さん:工務店さんには床下から全部、大事なところはやってもらって、僕たちは··、

ティナさん:建具と、外の壁と··、

徹さん:建具を全部外して、

ティナさん:オイルで塗って、

徹さん:桟の内側もヤスリで磨いて、

ティナさん:全部で45枚、全部私が。この人は建具は何もしなかった。

徹さん:えー(笑)


――壁も、なめらかな仕上がりですね。ペンキ屋さんに褒められたというさすがの腕前ですね。

ティナさん:光の当たり方によってはムラが見えるけど(笑)。

徹さん:新しく入れた建具は、空間に馴染むように古いものを探してきてもらって。

ティナさん:タイルも貼って。

徹さん:工務店さんができるだけ、美山の職人さんを集めてくれて。電気屋さん、水道屋さん、左官屋さん。

ティナさん:トイレの窓は、キッチンにあった窓が気に入っていたので移して。古いガラスで好き。


ついに、宿をオープン。スタートは順調にいきつつも・・。



――お宿を去年の2020年6月にオープンされました。順調なスタートだったのでしょうか?

徹さん:コロナの時期だったんで、あかんかなって言ってたんですけど。GoToトラベルキャンペーンが始まって、それからやね。めっちゃ来てくれました。

ティナさん:びっくりした。8月から12月までが多かった。このビジネスはいいと思ってね。でもキャンペーンの後はもう、ね··。


――宣伝はホームページでされたのですか?

徹さん:そう、それだけで。かなりの数の人が旅行してはったみたいで、だからここも予約がいっぱいになったし。これはいいなと思ってたけど、キャンペーンが終わって、緊急事態宣言になったらストップ。

ティナさん:1月から6月までは悪かったね。でも、7月からはまた予約が入ってきて。

▲大きな屋根が印象的な、「カーサ美山」の外観。右手奥に見えているのが、蔵を改修した「美山フォトスタジオ」と、お二人の写真が展示されたギャラリー。縁側での撮影やスタジオでの撮影サービスも提供している。


教えて下さい、ご近所さんとの良好な関係の築き方。



――移住先の地域の方々に受け入れてもらえるかを不安に思われる移住希望者さんが多いのですが。お二人はスムーズに地域の方たちと馴染まれたのでしょうか?

徹さん:そうですね、比較的スムーズでしたね。市役所の方にアドバイスをもらって、移住前に毎月1回ある村の集まりに行って、「移住してくる森本です」って自己紹介して。だから、僕たちが移住して来る前に、村の人は全員僕たちのことを知ってました。

それと、村の人に宿をすることを受け入れられへんかったらあかんやないですか。それで別の機会に、「こういう宿をしたいんです」って集落の人に話して、「迷惑かけるようなこともしないし、村のいろんな行事もちゃんと参加します」って話をして。

ティナさん:工事の時に、私たちも、ウィィィーンってめっちゃがんばったから、その様子を見て皆さんびっくりしていて。それで、「ああ、じゃあこの二人はたぶん大丈夫」って(思ってくれたはず)。


――この間私たちが伺った時も、ご近所の方が訪問されていましたね。引っ越してすぐ、そんな雰囲気になったのですか?

徹さん:そうそう。なんかね、ご近所の方が来てくれるんですよ。

ティナさん:皆さん畑があるから、野菜を持ってきてくれたり。スーパーの野菜よりもおいしい。私たちは畑がないので。

▲自宅の庭で、ご近所さんとおしゃべりしながら夕涼み。動画ブログ「やっぱり美山」より。


――徹さんは、地域の消防団にも入られているのですよね。朝にサイレンを流されている様子を、HPの動画で紹介されていますが、それ以外にどんなことをされるのですか?

徹さん:月に1回集まりがあって、消防車に2人で乗って、サイレンをカーンカーンって鳴らしながら村を回るんです。火の元に注意してくださいねっていう。あとは年に数回、ホースをちゃんと使えるかどうか確認したり、防火水槽の水を入れ替えたりもするらしいです。昔は僕のような歳になるともう引退してたらしいですけど、近頃は若者がいなくて、この歳で僕が新人なんです。

▲消防団の役目で、朝に村の防災サイレンを鳴らす徹さん。動画ブログ「やっぱり美山」より。


そしてこれからのこと。まだまだ面白いことになりそうです!



――そして今、美山に住まれて1年半が経ちましたが、お二人の美山の好きなところはどこでしょう?

ティナさん:春と秋の大野ダムがめっちゃきれい。桜と紅葉。秋もすごいきれい。冬も、雪が降ったらどこもきれい。めちゃめちゃいい感じ。

徹さん:美山は過疎化が進んでいても、なぜか廃れた感が少ないんですよ。きれいな田舎でもなんか廃れて寂しい地域って結構あるんですが、ここは、なんかそんな感じがしないんですよ。きれいんですよ、なんか全体として。多分これは、鉄道も高速も近くを走っていないので、流行っては廃れていくモノが入って来ていなくて、本当に必要だったものだけがあったからかなーと思います。

ティナさん:川もすごいきれい。暑いときは冷たい水に入りたくなるから。歩いて行けるからいいね。

徹さん:本当に、川の水がきれいな田舎って貴重ですね。宿にも山の湧き水が引かれているんですけど、この前、ここを訪ねてきた人がこの水をみて「宝ですね」って。本当にそう思います。

▲あまりの暑さに、家から徒歩1分の川へ泳ぎに出かけるティナさん。動画ブログ「やっぱり美山」より。


――ほんとに近くに気持ちの良さそうな川が流れていますよね、いいなあ。お二人がこれからやってみたいな、と思っていることは何かありますか?

ティナさん:海外の人にも宿に泊まりに来てほしい。外国人だったら、(ここに来ると)めっちゃびっくりすると思う。日本人の方はあんまり喋らない人が多いから、ちょっと寂しい(笑)。

徹さん:そうですね、海外の人にとってはすごい珍しいし、貴重な体験になると思う。やっとホームページの形が落ち着いてきて大体出来上がったんで、あとは訳すだけやね。

ティナさん:あとは、風呂小屋にキッチンを作る。

徹さん:敷地内の風呂小屋が余ってるんで、そこを厨房にして、食べるスペースにもする予定。自分たちで料理しない人は、そちらで食べれるようにって。

ティナさん:あそこがレストランになったら、バルセロナでレストランをしていた時みたいに、私もお客さんと喋れるね。パエリアをしよう。

▲2012年からバルセロナで経営されていたギャラリーレストラン「Akashi Gallery」。©Akashi Photos


――それでは、最後に、地方への移住を検討されている方へ向けてメッセージをお願いします。

徹さん:んー、どうだろ。生活自体はすごく質が良いと思います、田舎の暮らしは。自然に囲まれて生活すると心が落ち着きます。

ティナさん:便利じゃないけどね。便利じゃないけど、便利なものはそんなにいらない。スーパーは1週間に1回行くからそれで十分。街の生活では、星とか天気とか花の事とか全然考えない。ここでは、「あ、今日はこの花が咲いた」って。私はずっと街の中に住んでいたから、初めての田舎で。だからめっちゃ面白い。雪がすごいきれいとか、春も、夏も、ずっと変わるから面白いね。今、住んで1年半くらい経ったけど、まだびっくりする。

徹さん:街の中で住んだらあんまり気にしないもんね、そういうの。いろんな生活の仕方があるんだけど、街に住まなくてもいいなら、田舎の方がいいと思います。健康にもいいだろうし。でもお金がないと生きられないんでね。リモートワークができたら絶対いいと思うね。

ティナさん:美山は京都から近いから。1週間に1回か2回オフィスに行けばいいなら全然大丈夫。美山は電車はないけど、(車なら)どこでも近い。海も近い、街も近い、どこでも行けるから。

徹さん:そうやね。移住はいいと思う。楽しい。この村の人たちはすごくみんなオープンだし。だから、僕たちも移住して家が出来た時は、村の人全員を招待して中を見てもらったんですよ。


――へぇ、お披露目会をされたのですね。

徹さん:そういうのをしたら、多分いいと思います。いろんな事に参加すれば、すごくうまく行くと思う。思い切って飛び込んだら受け止めてくれますよ。

ティナさん:グラウンドゴルフも行くからね。何かあったら、なんでも行きたくなるね(笑)。



【インタビュー後記】
文字と写真にまとめてしまうのがもったいないくらい、経験豊富な、聞きごたえたっぷりのお話を伺えたインタビューでした。お二人の柔らかな雰囲気が心地良く、このまま仕事を忘れて、日が暮れるまでお話を続けていたくなりました。ご近所の方がこの家へちょこちょこ訪問される、という気持ちがよく分かります。敷地内に併設されている、蔵を改修したスタジオとギャラリーも素敵ですよ。ご興味のある方は、カーサ美山さんのHPをご覧になってみて下さいね。

森本 徹さん、ティナ·バゲさんのことをもっと知りたい方は・・
▶︎京都美山の古民家一棟貸し切り宿「カーサ美山
▶︎縁側での家族写真撮影や、併設スタジオでの個人撮影「フォトサービス
▶︎美山での田舎生活、自然、料理、宿のことなどを動画ブログで発信「やっぱり美山

森本 徹さん、ティナ·バゲさんに会いたい方は・・
▶︎京都移住コンシェルジュまでお問い合わせください


(文責:京都移住コンシェルジュ 山崎)