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オーガニックで地域と農を繋ぎなおす─亀岡オーガニックアクションの挑戦

京都市から電車で約20分。
保津峡のトンネルを抜けると、見えてくるのは霧のまち―亀岡市。
「世界に誇れる環境先進都市」を目指して早くから環境問題に取り組み、
2021年からは、市の条例でプラスチック製レジ袋の提供を禁止しています。

そんな亀岡市には、環境や人に配慮し
「亀岡をオーガニックのまちにする」という思いを掲げて活動している団体があります。

今回は、オーガニックを通じて暮らしやすい街づくりを目指す団体「亀岡オーガニックアクション」さんについてご紹介します。

目次:環境先進都市・亀岡だからできること
   農家さんに魅せられて
   亀岡をオーガニックのまちにする

環境先進都市・亀岡だからできること


2021年3月に設立した亀岡オーガニックアクション。

「環境先進都市である亀岡市の想いと、有機農業に関心の高い農家さんの想いが重なって、オーガニックを広めていこうということになったんです」と話すのは、亀岡オーガニックアクションの共同理事である大江 広一郎(おおえ ひろいちろう)さんです。

「もともとは、2019年に開催した『かめおか農マルシェ』というイベントがきっかけなんです。そのイベントで出会った農家さんたちと、当時亀岡市をフィールドにして食と農の課題について研究していた『総合地球環境学研究所FEASTプロジェクト』の秋津先生(現・亀岡オーガニックアクション共同理事)と一緒に、この駅北の土地をどう活用していこうかという話になり、有機農業に関心が高いメンバーが集まったことも関係して、ここで有機米を作ってみようということで団体が立ち上がりました」

現在は、亀岡駅北側に広がる農地を持続可能なオーガニックの田んぼにしていくことを目標とした「有機米プロジェクト」、亀岡市内でオーガニックに関心のある飲食店や農家さん・市民などでつくりあげる「飲食・販売プロジェクト」、オーガニック給食の実現に向けて取り組んでいる「学校給食プロジェクト」、誰でも参加可能で農業について勉強する「学びの会」、亀岡駅北側の開発を担う「駅北・構想案チームプロジェクト」の5つのプロジェクトを主軸に活動しています。

プロジェクトのひとつ、有機米プロジェクトでは、亀岡駅北側に広がる農地を使って有機米を栽培し、収穫したお米は市内の一部小学校・保育所の給食になっています。
有機米プロジェクトだけでも参加者は90人近くおり、地元の方だけでなく学生さんや市外の方など、様々な方が参加しているそう。

有機米プロジェクトの様子。誰でも参加可能で、参加するにはFacebookグループへ。

「このプロジェクトをきっかけに、亀岡への移住を検討していただいている方もいて、家まで紹介したこともあります。移住を考えている方やオーガニックに興味のある方はぜひ気軽に参加していただきたいですね」

▷亀岡オーガニックアクションに参加してみたい方はこちらから

農家さんに魅せられて


今回お話を伺った大江さんも、実は東京からの移住者です。

2010年に亀岡市で新規就農し、現在は「べじたぶるぼーと」という屋号で有機農家さんをされています。

「はじめは全く農業に興味はなかったんです。大学生の時に環境系NGOに所属して活動していたんですが、その活動の中で山形県での農業体験ツアーに誘われたことがあって。そこで出会った有機農家さんの姿勢を見て、『農家さんってすごい』って思いました。それが農業に興味を持ったきっかけです」

大学を卒業し、一旦は東京の印刷広告会社へ就職した大江さん。しかし今後もサラリーマンとして働くことに限界を感じたことや、農業への憧れから退職。その後は農家さんで研修を積み、大阪府能勢町の農家さんのお話を聞いたことがきっかけで関西の地へ辿りつきます。

年間約80種類の有機野菜を栽培している大江さん。野菜はセットにして宅配するスタイルの農家さんです。

「今は亀岡市の旭町という地域に住んでいます。地域の方があたたかく迎え入れてくれて、役や消防団の活動もとても楽しいです。地域の一員としてやらせてもらっているという感覚が強くあって、やりがいもあるし、自分のことを受け入れてくれるからこそ、自分も地域で頑張ろうという気持ちになるんです」

亀岡をオーガニックのまちにする


活動ももうすぐ4年目に差し掛かり、イベントで有機米の一般販売にチャレンジしたり、先日2月3日には「亀岡オーガニックレストラン」を開催したりと、様々な取り組みを行ってきた亀岡オーガニックアクション。

最後に、今後の目標を聞いてみました。

「まずは、この駅北エリアの田んぼを全部使えるまでにしたいですね。それから給食米もいろんな農家さんにも協力してもらって、全市内の小学校に供給できるようにしたいです。今は、保津小学校で週2回・市立保育所で月1回、有機米プロジェクトで採れたお米を給食として提供しているんですが、多くの子どもたちに食べてもらいたいなあと思います」

2023年、次世代の子どもたちに豊かな自然と持続可能な食・農を引き継ぐために、「オーガニックビレッジ宣言」を行った亀岡市。
今月には「亀岡オーガニック農業スクール」も開校しました。

大江さんたちの「オーガニックのまちにする」という想いは、確実にここ亀岡で広がっています。

(文責:京都移住コンシェルジュ 矢田)

▷亀岡オーガニックアクションのHPFacebook
▷オーガニックビレッジ宣言についてはこちらから
▷亀岡オーガニック農業スクールのHP
▷その他気になることや移住に関するお問い合わせは京都移住コンシェルジュまで

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