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イベントレポート

京都ローカルはしご旅 Vol.8「地域建設企画部長がしかける、まちと企業のにぎわいづくりへの挑戦」

こんにちは、京都移住コンシェルジュの磯貝です。

本日は、5月21日(木)に開催された京都移住計画(株式会社ツナグム)主催の「京都ローカルはしご旅〜UIターンではじめた地域プロジェクト〜」イベントレポート第8弾をご紹介します!ついに最終回!≪セミナー概要はこちら

今回のゲストは宇田川 鎮生さん。テーマは「地域建設企画部長がしかける、まちと企業のにぎわいづくりへの挑戦」。

◆ゲストスピーカー紹介:宇田川 鎮生さん(福知山市)
西田工業株式会社 取締役/福知山ワンダーマーケット実行委員
1980年生まれ。大学院にて地震工学を修了後、建設コンサルタント会社に就職。地下構造の設計、中国の地下空間開発計画に携わり、東日本大震災では宮城県女川町や岩手県気仙沼市の復興まちづくりに従事する。2013年に福知山にIターン。会社の遊休資産活用や新規事業開発をまちづくりの視点から取り組む。福知山ワンダーマーケットからはじまるまちづくりは、一過性のイベントではなく、持続的に地域を成長させることを意識して活動している。

それではさっそく当日の内容をご紹介していきます!


宇田川さんが考える「まちづくり=コミュニティづくり」とは?


宇田川さんは、福知山市にIターンしてから、会社としても、個人としても、まちづくりに携わっています。

そこには、前職の建設コンサルタント会社に勤めていた時に得た経験が大きいのだそう。
建設の設計や計画を主に行っていた宇田川さんですが、東日本大震災における復興業務に携わっていた際、
「型だけつくっても、コミュニティをつくらなければ意味がない。コミュニティをつくるところまでやっていかないと、まちは生きていかない(成り立たない)」と強く実感したそうです。

ちょうどその時期に、奥さんの実家がある福知山にIターンすることに。
同じ建設業である西田工業株式会社に入社し、遊休不動産を活用した新規事業の開発にまちづくりの視点から取り組むとともに、個人としても積極的にまちづくりに関わっています。

西田工業株式会社は福知山市と大阪市の中津に拠点があり、
「まちが今後も発展していくために、地域建設業としてエリアへの責任もしっかり担っていく」という方針を掲げています。

▲大阪市の中津にある西田工業のビルの2階にイベントスペースとコワーキングスペースである「クリエイティブクウォーター中津」を設置。地域のイベントやワークショップなどを開催することで、”地域のまちづくり拠点”を目指している。
▲また、同ビルの前にはイベントスペースを、3階には新たなクリエイティブスペースが入り、「中津といえば西田ビル」を目指して活動中。

西田工業のビルを”地域のまちづくり拠点”として地域に開くことで、地域とのつながりができ、独身寮の食堂の調理師さんがいなくなってしまった際、代わりに地域の方が交代で協力してくれたりと、地域ならではの面白いつながりもできてきているそうです。

一方で、個人として宇田川さんが取り組んでいるまちづくりの1つに「福知山ワンダーマーケット(※1)」があります。

(※1) 福知山ワンダーマーケットは、毎月第4日曜日に、福知山市のレトロな雰囲気が残る新町商店街で開かれる定期市。有志数名で構成された実行委員会が運営しています。

「商店街に少しずつ増えていく空き店舗対策のために、起業家を育てたい。そして福知山をさらに盛り上げたい!」と、友人と一緒に有志で始めた福知山ワンダーマーケット。宇田川さんは個人として関わりながら、必要に応じて会社として協力することもあるのだそう。

地元の大学生やUIターンで移住された方、地域の方など、福知山を盛り上げたいみなさんが一丸となって活動されていて、毎月マーケットがある日は、商店街の通行量が約200人から2,000人になり、とても盛り上がるそうです。

そして、「毎月のマーケットの盛り上がりを日常に持ってくるにはどうしたらいいか」と考え思いついたのが、厨房付きレンタルスペース「アーキテンポ(※2)」でした。

(※2) アーキテンポは、マーケットの出店者からお店を出したい人を募り、チャレンジショップとして日替わりで営業し、ファンを獲得してもらい、空き店舗の多い新町商店街への出店を支援しています。
▲イベントやトークセッション、まちづくりの勉強会なども行っています。

アーキテンポは現在、マーケット出店者の起業支援だけでなく、「アーキテンポに行ったらいつもなんかやっている」「なんかやるなら、あそこがいいよね!」という場所を目指し、「地域の拠点づくり」の役割も担っています。


仲間はいないんじゃなくて、出会えていないだけ。声を上げれば仲間はいる!


宇田川さんは、その他にも、
個人としての活動を地域間連携に派生させたいという想いから「都市経営プロフェッショナルスクール(※3)」という実践型まちづくりスクールに参加し、福知山地域の取り組みの発信や公民連携まちづくりケーススタディブックの編集に携わったりしています。
宇田川さんが理事長を務めておられる(一社)福知山青年会議所では社会起業家を育てる「福知山スタートアップスクール」を開催し、福知山に若い人が来てチャレンジできる土壌づくりをされていたりと、幅広く活動されています。

(※3) 公と民の異なる手法から、発見する力・地域を動かす方法を学び、都市経営の課題を解決するプロフェショナルを要請するスクール

そんな宇田川さんに参加者から「地域で何かしたいと思っても、一緒にやれる仲間がいないんです。マーケットの仲間はどうやって見つけたんですか?」という質問が出ると、

「仲間はいないんじゃなくて、今は出会えていないか、ただ気付いていないだけ。ちゃんと自分が声をあげれば、仲間はいる!」と答えてくださいました。
実際、マーケットを一緒に始めた友人とは全然違うところで出会っていたそうです。その友人に「福知山への自分の想い」を伝えたら、「実は今度マーケットをやろうと思ってるんだ!」と偶然、誘われたのだそう。
「どこにいるかは分からないけど、『同じ想い』を持っている人はきっといる。ちゃんと自分の想いを発信して、いるはずの人を集める。そしたらきっと、出会えるはずです。」と宇田川さん。

また、「Uターンで地元に帰ることを考えているけど、自分に何ができるか分からない」と悩んでいる参加者に対しては、

「意気込みなすぎなくて大丈夫。無理な目的やハードルを設定せずにまずは動いてみる方が、結構成功しやすいと思います。ただ単にそのまちが好きだから、ただただまちを楽しむ。そして、まちを楽しみながら、その中から、ここに関わりたい!ここをもっとやりたい!というのを極めていけばいいと思います。」とアドバイスしてくださいました。

▲新型コロナウィルス感染症の影響もあり、「豊かさ」や「地方の可能性」をより感じるようになったという宇田川さん。心身ともに豊かな生活に向けて、ご自身の家を環境に配慮したパッシブハウスで建て、エネルギーを自活できるようにし、「新しい地方の暮らし方」を提案できたらと考えているのだそう。

まちづくりにおけるコミュニティづくりの大切さと同時に、「自分の想い」をしっかり発信することの大切さを教えてくださった宇田川さん。
また、イベントの最中何度か「等身大の」というキーワードを使っておられ、まちづくりに関しても、まずは等身大の自然体で「やりたい」「携わりたい」という気持ちが大切なのだと、お話を聞いていて感じました。

最後に、宇田川さんのことや、福知山市のことをもっと知りたい!という方は、以下もご覧ください!

福知山ワンダーマーケット
お話にもたくさん出てきた福知山ワンダーマーケット。毎月第4日曜日に開催されているので、ぜひ足を運んでみてくださいね!

福知山移住 FUKUFUKU LIFE
福知山市に興味を持った方、ぜひこちらのサイトもご覧ください!
特に、福知山市に移住された方々に、どんな暮らしをされているかお伺いした「ふくふく暮らしな人々インタビュー」がおすすめです!

京都ローカルはしご旅の最終回いかがでしたか?
「第1弾〜第7弾までのイベントに参加できなかった!」という方は、イベントを追体験できる各回のイベントレポートを、ぜひ読んでみてくださいね!
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(文責・京都移住コンシェルジュ磯貝)

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