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移住者の声

ワンコインでヨガレッスンを

数回の引っ越しの先に

「美山に移住して来たら、豊かな自然の中で自律神経が緩むからか、心身ともにストレスがなくなりました。」

と、晴れやかに微笑む齋藤純子さん。2014年の秋、南丹市美山町に家を購入。京都市内から一家四人で引っ越してきました。

「生まれは関東ですが、夫は大の引っ越し好きで、結婚してから数回の引っ越しを経験しました。子どもが出来たのを機に、どこかに腰を落ちつけたいと思い、子育てに良い場所を探していたところ、自然の豊富な美山にピンときたんです。土地も広いから、子どもをのびのび遊ばせるには最高の環境ですよね。友人たちからは『思い切ったね!』とびっくりされましたが、小高い場所から街を見下ろすと、素晴らしい景色が眼前に広がり、満足しています。」

と純子さんは笑顔で話してくれます。

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購入した家には暖炉があり、薪をくべて利用しています。細身ながらその薪割りもやってのける純子さん。旦那様と同じくヨガのインストラクターです。

「公民館で、地元の方にワンコインでヨガを教えているんです。最初は、五百円相当の野菜と引き換えでいいかと思ったのですが、皆さんが気を遣ってくださって。逆に、今はレッスン料の他に採れた野菜もくださるので、ありがたいやら申し訳ないやら……。」

自然豊かでストレスのない場所だから、当初はヨガでリラックスする必要がないかもしれないと感じた純子さん。でも思いがけなく、お年寄りを中心に積極的に参加される方が多いそうです。

「八十歳代のおばあちゃんたちが、娘のような年齢の私の生徒になってくれるのが嬉しくて。未知なものに好奇心を持つ余裕があるということは、それだけ皆さんハッピーなのだと思います。」

と、純子さんは顔をほころばせました。

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不安はあっさりなくなった

「移住したばかりの頃は、都会と離れてしまうと、友人知人とどうやってコンタクトを取ったらいいんだろうと不安もありました。」

と言う、純子さん。しかし、その心配もあっという間になくなったそうです。

「区長さんがオープンな方で、他の皆さんも新入りだ古参だということも関係なく、話に耳を傾けてくれるんです。地域のイベントにも積極的に顔を出し、夏には盆踊りを復活させるプロジェクトにも参加しました。」

純子さんが地域に溶け込むことが出来たのは、地域の方の優しさはもちろんのこと、先に移住していた知人が橋渡し役を担ってくれたことや、地域の集まりがある時に紹介する仕組みがあったことも大きかったそうです。また、純子さんの場合、自身がこれまで培ってきたことを通じて、地域の方とコミュニケーションをとることも出来ています。

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最後に純子さんは微笑みながら「都会では、子どもが家の前の道を走るなんてことも出来ませんよね。こんなに良い場所に、子どもや夫と住めて毎日が最高です。」と話してくれました。

都会の仕事はどこでも可

都会は便利で、田舎は不便。はたして本当にそうでしょうか?ネット社会になり、どんなに遠くにいても、情報を得ることも離れた人との交流もかんたんにできる。そんななか、仕事は都会との繋がりのなかで今までのスキルを活かして続けつつ、住む場所としては、田舎を選択する方々が増えています。

地域で暮らしながら、ネットを介してビジネスをされている方も、サテライトオフィス、テレワークなどの仕事の方法を実践している方もいます。今やネットで買い物だってできるのですから、ずいぶんと田舎の生活も便利になりました。とはいえ、家に籠もりっきりでは、田舎暮らしの醍醐味を味わえません。その暮らしを楽しむための鉄則は、まずはちゃんと「郷にいれば郷に従え。」を実践することだとおっしゃる方もいます。できるだけその土地のやり方を受け入れていくことが自身のビジネスにも活きてくる、そんな声も聞きます。

でも、すべて受け入れるだけでなく、時には、街で出会った良いところを地域の中で紹介していく。それによって、今までなかった交流が生まれ、その土地に住むことがさらに楽しくなっていく可能性も。自然に囲まれた環境のなかで、都会で培ったものや、魅力を継続するという新しいスタイルが生まれています。

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