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イベントレポート

京都ローカルはしご旅 Vol.6「ローカルを旅して“X”と出会う『天職観光』という提案」

こんにちは、京都移住コンシェルジュの磯貝です。

本日は、5月15日(金)に開催された京都移住計画(株式会社ツナグム)主催の「京都ローカルはしご旅〜UIターンではじめた地域プロジェクト〜」イベントレポート第6弾をご紹介します!≪セミナー概要はこちら

今回のゲストは工忠 照幸さん。テーマは「ローカルを旅して“X”と出会う『天職観光』という提案」。

◆ゲストスピーカー紹介:工忠 照幸さん(綾部市)
1976年生まれ。大阪府出身。Iターン。19歳の時より約7年間、バックパッカーとして世界を2周し、 帰国後はホテルマンや、海外秘境ツアーの添乗員として働く。2013年(30代半ば頃)、大阪から綾部市上林地区へ移住し「里山ゲストハウスクチュール」を開業。訪日旅行者を対象に、地域資源を活かしたローカルツアーを提供している。地域密着型の旅行会社「MATA TABI」を立ち上げ、地域資源の発掘からツアー化を行うほか、英語通訳案内士として綾部や京都北部の魅力発信に努めている。

それではさっそく当日の内容をご紹介していきます!

「ゲストハウスがしたい」という夢を持って移住された工忠さんですが、どのように夢を叶えられ、現在の活動に繋げられたのか詳しく聞いていきましょう。


地方で「やりたいこと」を叶えるためには?


工忠さんが移住をするまでにかかった期間はなんと約3ヶ月!情報集めに1ヶ月、いくつかの移住候補地を訪問するのに2ヶ月、絞った地域で自分の経験を活かせる仕事探しに約1週間というスピードで移住を決められた工忠さん。

「自分でゲストハウスがしたい」という気持ちで移住を考えてはいたものの、「まずは地元の人とのつながりをつくりたい」という想いから、最初は地域に根差した温泉宿泊施設で働き始めたのだそう。なんと車無し・家無しで飛び込んだというので驚きです。

「人とのつながりをつくりながら、自分のやりたいことを言い続けることが大切」だと教えてくださった工忠さん。
最初に温泉で働いていた時にも「自分はゲストハウスがしたいんです!」と言い続けていたことによって、数珠つなぎのように、今住んでいる家、そして現在ゲストハウスを営んでいる物件も紹介してもらったのだとか。

▲地域の方に会いに行っておしゃべりしたり、美しい自然の中で「何もしない時間」を楽しむ宿泊者たち

工忠さんが営んでいる宿は「農家民宿」という形態で、宿泊者への「体験の提供」が必要になります。地域の方に協力してもらい「ここでしかできない体験」を提供していく中で、地域とのつながりも強くなっていったそうです。

宿の開業前には、いろいろな集落、地域で面白いことをしている方と知り合い、地域のお祭りやイベントなどにも積極的に参加して、自分がどういう人間なのか知ってもらい、人脈を広げていったのだとか。

▲工忠さんが目指すのは「友達に会いに来る」宿。写真左の台湾人の女性は、宿が出来た時の最初のお客さんで、家族や子供に会いに今でも年に1回は来てくれるそう。


人はきっと天職のための旅をする


最初はシンプルに「宿がしたい」と思ってゲストハウスを始めたそうですが、地域にいる間に「地元で困っていること」と「観光客のニーズ」がマッチングできるのではないかと思うようになったという工忠さん。そこで、前職での経験も活かして、地域型の旅行会社MATA TABIを始めました。

「地域の困りごと」が「やりたいこと」とリンクするようになり、「やりたいことがどんどん出てきて忙しい!」と嬉しそうに語っておられました。

MATA TABIでは様々なツアーの企画や運営を行っていますが、その中でも特におもしろいのが今回のテーマにもなっている「天職観光」。

▲「半農半X」を提唱している塩見直紀さんの言葉


天職観光
は、地域の人に会いに行って「暮らし方を考える旅」。「これからやりたいこと」がある移住希望者と「今現在やっている人」をマッチングして繋ぎ、実際にその人たちの「暮らしぶり」や「なりわいの作り方」を直接会って話しを聞くことができるツアーです。

▲カフェを開きたい方(右)に、コーヒーを自家焙煎している木工作家さん(左)を紹介 


そうやってつながりを作ることで、実際に移住して「やりたいこと」をする人や、移住はしなくても「やりたいこと」で生計を立てていく人、そういう人が増えてくれればという想いで行っているそうです。

▲新型コロナウイルス感染症の影響で5月中は宿を閉めていたので、最近はエコ&持続可能な暮らしを楽しんでいるそうです。


工忠さんのお話を聞いていると、「やりたいこと」を叶えるためには、「まずは行動に移すこと、人とのつながりを大切にすること、とにかく言い続けること」の重要性を改めて感じます。「言葉の力は強い」といいますが、地域だとその力がより強くなるのかもしれないですね。

そして、行動し続けながら、自身の経験と「やりたいこと」をつなげていけば、そこから道が開かれるということも、工忠さんがお話を通して教えてくださったような気がします。例えば、綾部市の上林地区という里山エリアで宿をやろうと思ったのも、ご自身がバックパッカーとして世界各国を旅した経験があったからこそ。地域型の旅行会社MATA TABIを始めたのも、前職の経験や宿を開業してゲストや地域の方のニーズが見えてきたからこそ。
自分が培ってきた経験やつながりを、自分の「やりたいこと」へとどう活かしていくのか、そういう発想を常に持っておくのが大切なのかもしれません。

最後に、「工忠さんに会いに行きたい!もっと知りたい!」という方は以下をご覧ください!

天職観光
お話の中にも出てきた天職観光。移住を考えている方もそうでない方も、京都の田舎で自分の「やりたいこと」を叶える暮らし・仕事をしている方に会いに行ってみませんか?きっと工忠さんが素敵なつながりをつくってくださいますよ!

そして最新の嬉しい情報!
天職観光オンラインを始められました!なんと今年度は無料とのこと!
どのような暮らしや人に興味があるのか、都合の良い時間帯などを連絡したら、その人にあった移住者や地元の方を紹介してくれ、オンライン(ZOOMなど)で話を聞くことができるそうです。自宅にいながら、移住後の暮らしがイメージできる絶好の機会です!

里山ゲストハウスクチュール
工忠さんが営まれているゲストハウス。一度に受け入れる宿泊人数が少ないため、お客様とのつながりも生まれ、ゲストというよりは友達になる感覚に近いそうです。お客様側も「友達に会いに行く」感覚で、何度もリピートしてくれる方も多いのだとか。ぜひ工忠さんに会いに行ってみてくださいね!

移住立国あやべ
工忠さんが移住された綾部市のことをもっと知りたい方はこちらもご覧ください。綾部市に移住された方のインタビューが読める【移住者の声】や、「綾部あるある」や「移住者の一日」をまとめた【ここらへんの教科書】も面白いので、ぜひ読んでみてください!

▶︎次回は京都ローカルはしご旅 Vol.7「地方に眠るチャンスを活かしたまちづくり」ゲスト:大滝 雄介さん(舞鶴市)】 お楽しみに!

京都移住コンシェルジュでは、オンライン相談窓口も行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。≪詳細はこちら

(文責・京都移住コンシェルジュ 磯貝)

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