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地域に関わる

みんなが味方、みんなで紡ぐ。お茶のまちからはじまるまちづくりの可能性

(写真提供:21お茶のふるさと塾)

京都府宇治田原町(うじたわらちょう)。

京都府南部に位置する「お茶のまち」のひとつで、
永谷宗円が青製煎茶製法を広めたことから、日本緑茶発祥の地といわれています。
町内を巡ると、ふんわりと漂う茶葉の香り。

宇治田原町には、「お茶のまち」というアイデンティティを広めるために、30年近く活動されている地域団体があります。
今回は、お茶のまちを舞台に地元住民と移住者が地域活性化を目指す団体、「21お茶のふるさと塾」で活動をされている皆さんからお話を伺いました。

目次
▷ゆるく、長く、ニュートラルに。想いが人をつなぐ、想いが形をつくるこれからも変わらずに、在り続ける場所

ゆるく、長く、ニュートラルに。


1994年に結成された「21お茶のふるさと塾」。
地域で遊休の茶園を借り受け管理しており、茶摘み体験交流会を行うなど、お茶を柱とした都市と農村の交流事業をメインの活動として行っています。

コロナ禍の間はオンライン上でお茶の産地や品種を当てる「オンライン茶香服(ちゃかぶき)」を実施。
(写真提供:21お茶のふるさと塾)

何よりも塾員の居心地の良さを大切にしており、とにかくアットホーム。ここでは誰もが平等に受け入れられます。

松本 雅代さん:地域にいると、「○○ちゃんのお母さん」とか「△△さんの奥さん」とか何かの肩書きで呼ばれることしかなかったのが、はじめて『私が私として見てもらえる場所』っていうのがここやった。だから心地よさがあるんかなって。

光島 善正塾長:今までやってきたことは女性主体で考えてきたんよ。主婦の方が多かったしね。田舎やから、ずっと男性社会だった流れの中で、女の人たちの考え方っていうのはいままでなかったような考え方やから新鮮やし、いろんなこともできた。

月1回、妙楽寺というお寺で塾員会議を開催。家族写真のようなほっこりショット。

元々は地域で生業を営む地元住民の団体でしたが、最近は移住者やUターンされた方が多く塾員となり、「地の者」と「よそ者」が混ざりあう団体になりました。

松本さん:外から来られる方の視点とか考え方はすごく新鮮で、楽しい。ずっと宇治田原にいると、いいところも悪いところも見えなかったけど、お話していると見えてくる。お互いの良さも分かるし違いも分かりあえるっていうのがいいですよね。

若林 純さん:初めのころは、私たち移住者も地域のことを知らないが故に地元の方に失礼なことをしてしまって、地元の人は本当に全然悪くないんですけど、厳しい言葉をかけられたりしたことがありました。そんな時でも、この塾は温かく見守って下さって、なんでも受け止めて聞いてくださりました。

地元住民と移住者とがお互いに気づきを与えられる関係性であるのも、この塾ならではの魅力です。

想いが人をつなぐ、想いが形をつくる


21お茶のふるさと塾には、現在約30名の塾員がおり、年齢層は幅広く、様々な業種で活躍されている方が集まっています。

塾員のつながりの中で生まれた企画が「宇治田原オータムフェスinくつわ池」。
2022年10月に開催されたこのイベントは、府内外からマルシェ形式でブース出店があり、大いににぎわったそう。実はこのイベント、宇治田原へ移住された方の想いが開催のきっかけでした。

イベントは大いに盛り上がり、府内外から約1,500人が来場。(撮影:宇治田原町 勝谷聡一さん)

上村 千晶さん:宇治田原に移住して木工家具工房をやりはじめて、活動場所を広げるためにマルシェを開催してみたいと役場の方に相談したら、ふるさと塾を紹介してもらいました。
そのあとに、くつわ池公園の管理会社をされている方や、「地域を活性化したい」という塾員さんともつながって、実行委員会が立ち上がりました。不安なことも多かったですが、温かくいろんなことを応援してくれて、自由にやらせてくださってうれしかったです。

誰かが「こうしたい」と想いを打ち明ければ、誰かが声を拾い上げてフォローをしてくれる関係。塾内の絶妙なバランスによって、また一つ想いが紡がれました。

これからも変わらずに、在り続ける場所


塾長の光島 善正さん。頼れる塾の代表でありつつ、ムードメーカーでもあります。

光島塾長:展望も何もありません(笑)たぶん勝手に進んで行くと思うんです。流れっていうもんがあると思うから、それに合わせて塾でバックアップしていければいいと思いますし、町内が活性化していくんなら、なんだってやりますしね。

田中 大典事務局長:ここはいい意味でみんなが駄弁りにくるような場所。細く長く無理なく継続していければいいし、誰かがやりたいっていうことを無理なく参加できる人が手を上げて協力できる体制がずっと続けばいいと思いますし、「ゆるさ」っていうのが一番大事かなって思います。

年代やルーツは違えど、同じ宇治田原町を愛する気持ちを持つもの同士が集う場所。
またここから、新しいまちづくりが始まります。

(文責:京都移住コンシェルジュ 矢田)

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